
第46回 2025-2026 テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| ホンダ | N-ONE e: | 2 |
主要なコンポーネントを一体化した3 IN 1構造のパワートレーンを持つ新型リーフで注目すべきテクノロジーは、まず先代の0.28から0.26まで磨かれたエアロボディの空気抵抗値。最大702kmの一充電航続距離を支えるのはそれだけでなく、寒い時期の航続距離短縮を抑える最適な水冷式バッテリー温度自動制御システムや、ナビ設定でルートに応じたエネルギー最適化ルートの自動設定などが挙げられ、ナビルート設定上の最適な充電設備の選択、エアコン使用時のバッテリーの減りにくさの制御が心強い。回生ブレーキを制御するe-Pedalにしてもスムーズさが際立ち、初代リーフから15年を経た日産BEVテクノロジーの進化ぶりを目の当たりにできるのが新型リーフだ。仮想8段変速のような回転数の変化とダイレクトなレスポンスが心地よい変速フィールをもたらし、さらにドライバーとクルマがシンクロする操る喜びを体感するためのスピーカーで増幅されたエンジン音がドライバーの爽快感、高揚感を高めてくれるアクティブサウンドコントロールシステムを備える「Honda S+ Shift」、そしてコースティング制御はまさに現代のプレリュード最大のハイライト。ドライバー、乗員がダイレクトに感じられるホンダ渾身のテクノロジーの実現と言っていいだろう。とんでもない完成度を備え、軽自動車規格の電気自動車としてこれまでの常識を覆す1台がホンダN-ONE e:だろう。軽EVとしていきなり295km!!もの一充電航続距離を実現した、シートヒーターの装備やバッテリー加温/冷却システムによって冬季の充電時間、航続距離の向上への配慮を含むテクノロジー、そして到底、軽自動車とは思えない、素晴らしく乗り心地のいい中型上級車に匹敵する快適かつしっかりとした乗り心地、BEVとして文句なしの静粛性を軽自動車規格で実現した技術力は称賛に値する。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| キャデラック | リリック | 10 |
| メルセデスAMG | E 53 ハイブリッド 4MATIC+(PHEV)(セダン/ステーションワゴン) | 4 |
| テスラ | モデルY | 2 |
1位のキャデラック・リリックに関しては、BEVの回生量の調節を無段階で一つのシフトパドルで可能にした、その発想を高く評価しました。
2位のメルセデスAMG・E53ハイブリッド4MATIC+は高いパフォーマンスとエコロジーの両立を「理論上」かつ現実的に可能にした、そのテクノロジーに敬意を表したいと思います。
3位のテスラ・モデルYは、本国で、かなり高い次元の「運転支援」を実現しており、日本市場に於いても、その実現の可能性を具体的に示している希有な存在であると考え、評価しました。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 4 |
| ホンダ | N-ONE e: | 2 |
日産リーフの大幅な技術の進化。航続距離700kmを実現した「エネルギーマネージメント」とそんな航続距離とともに進化と遂げたバッテリー耐久性と充電性能。快適性をより高めた音振動対策と静粛性の向上。EV特有のヒューンと聞こえるモーターノイズの大幅改善、モーター、減速機、インバーターを一体化した3in 1ユニットの採用によるユニットの剛性向上と動力伝達の質の向上。クルマとの一体感が気持ちよく、スーッと滑らかな走りを実現している。
ポルシェ911の電動化=「T-Hybrid」の技術と採用が911の歴史に加わった。
実は911のベースエンジンがターボ化された際にもターボ車と感じさせない意のままの加速性能に感心させられたが、電動化が進んでもその印象は変わらないばかりか、モーターを得たことによるパフォーマンスは感性にも響くほど磨きがかかっているように思えた。
N-ONE e:の「EVシステム」は日常使いに十分な航続距離295kmと静かでスムーズな加速、ゆとりのある室内空間と使えて便利なさり気ない空間のアレンジ性を実現させている。ボンネットに納めるべく小型化した電動パワートレーンやセンタータンクレイアウトを活かすべく開発された大容量かつ薄型化したバッテリーの採用、モーターや制御機器などの高電圧部品を効率よく配置。変わらぬ実用的な軽自動車ながら快適さに大きな違いをもたらす電動化の小さくて大きな技術は今後のホンダを支えるものになると期待している。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| アウディ | A5 シリーズ | 2 |
ポルシェ911GTSが採用したT-Hybridは、MHEV(マイルドハイブリッド)に分類され燃費改善にも効果を発揮するが主眼はパフォーマンスアップだというのがポルシェらしい。T-HybridのTはターボを意味していて、これを電動化することでターボラグを無縁のものとしてドライバビリティを大いに高めたのだ。各コンポーネントの工夫や重量配分の適切化など細部までこだわりをみせているのもポルシェならではだ。
ホンダ・プレリュードのS+シフトはフルハイブリッドの燃費を悪化させることなく操る喜びを大いに高めたことで、未来を明るくしてくれた。さまざまなシーンで試乗し、S+シフトのオン・オフやドライブモードを切り替えながら走らせたが、気付くとS+シフトはオンになっている。それだけ自然な運転感覚があって心地いいからだ。
アウディA5ではMHEV Plusが初採用された。従来のベルトドライブ式MHEVに、新たにトランスミッション後方にモーターをインテグレートしたことで燃費改善や駆動アシストの効果を高めたのだ。とくにディーゼルでは厳しい排ガス規制に対応するとレスポンスに悪影響をもたらすが、アシスト効果でドライバビリティは良好。フルハイブリッドではないが様々なメリットがあるシステムだ。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| トヨタ | クラウン(エステート) | 10 |
| テスラ | モデルY | 4 |
| BYD | シーライオン 7 | 2 |
今年も各メーカーからたくさんの新しい技術やテクノロジーが実用化された。毎年、素晴らしい発明もある。しかし、そのどれもが進化をし、発展するとは限らない。今回はそうした新技術で、きちんと発展し、評価できるものを選んだ。1位はトヨタのハイブリッド技術。約30年前にトヨタが実用化した時、ドイツメーカーをはじめ世界は見向きもしなかった。それをコツコツと育てあげ、ここまでにしたことに対して10点。2位はクルマを作ったこともなかった企業が電気自動車を作り、インフラまで手掛けるという姿勢にたいして。3位も電池メーカーが車を作るという新時代の自動車産業を作り出した企業姿勢に対して。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 4 |
| メルセデスAMG | GT 43 クーペ/GT 63 S E パフォーマンス クーペ | 2 |
1位:リーフ。一般販売前のテストコース試乗でしたが、尖ったところを敢えて消し、日常に寄り添うような優しい仕上がりにしている。反面、別軸ではあのボディサイズで航続距離700km越えを達成させた血の滲むような執念や、モーターのユニットを代ごとに見直し、電費はもちろんのこと、使う人の気持ちを考えた商品刷新のきめ細やかさにも感激しました。さらに電気自動車の売り手として最も大切にすべき「安全への取り組み」も素晴らしい。3代目にまで進化しながら、これまで大きな事故を起こしていないという信頼のパッケージはなによりもテクノロジー・オブ・ザ・イヤーにふさわしいと思いました。
2位:911 カレラGTS。めっちゃよかった…!乱暴に一言だけの感想を言えばこんな感じ。電気を得たカレラの味はすべてのクルマ好きが気になるところかと思いますが、むしろカレラ味が極まり、トルクはもとよりハンドリングの素直さやストロークは滑らかになって全体的にしっとりと成熟した印象。単なるCO2排出規制対策にとどまらないモーター使いの巧みさにブランドの歴史を感じました。
3位:特にGT 63 S E パフォーマンスクーペに。こちらもプラグインハイブリッドを史上最高のパワーブーストとして使用し、サーキットでは驚くほどの速さを叶えているにもかかわらず、一般道ではラグジュアリー方向の即座のセッティングに持っていけるという、電気の特性をしっかりとブランドに活かしているところに感激しました。また安定性も電子制御も素晴らしく、誰でも安全に速くサーキットを走れる、というAMG理念を突き詰めている信念も胸熱ポイントです。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| スバル | フォレスター | 4 |
| ホンダ | プレリュード | 2 |
Porsche 911 Carrera GTS Hybrid を推す理由は、このモデルが電動化という大きな転換において、911の魅力を保持しつつも、さらに新しい方向へと広げた点にある。スポーツカーのハイブリッド化は、重量増によるフィーリングの変化などが起きがちだが、この911はそうしたネガを忘れさせてくれる仕上がりになっている。
印象的なのは、ハイブリッドが走りの中に自然に溶け込んでいることだ。新開発のEターボは、従来よりもスムーズにターボを立ち上げる。力強く、フィーリングにも違和感がない。
そしてハンドリングの一体感やステアリングの正確さといった911らしさはしっかり守られている。むしろ、電動化によるトルクの厚みや低回転でのレスポンスの良さによって、従来の911にはなかった新しい魅力が加わったようにも感じられる。
今、電動化の流れのなかでスポーツカーがどうあるべきか、という問いに各メーカーが向き合っている。その中で、このGTS Hybrid は「電動化はスポーツカーの楽しさを奪うものではない」という答えを示してくれた。この姿勢こそがもっとも評価したいポイントである
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| フィアット | 600 ハイブリッド | 4 |
| アウディ | A6 e-tron シリーズ | 2 |
ポルシェ911カレラGTSは、純粋なテクノロジーというよりもその使い方、アプリケーションにより911本来の魅力をさらに高めているという点を評価した。フィアット600ハイブリッドは輸入電動化モデルの低価格化に貢献した点を、アウディA6 e-tronは電動化時代のハンドリングに関する新提案があったことを評価した。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ホンダ | プレリュード | 10 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 4 |
| 日産 | リーフ | 2 |
初代プリウス以来、トヨタのハイブリッド(THS)は4半世紀以上にわたって日本のみならず世界のハイブリッド市場を席巻してきた。その功績は間違いなく偉大だが、燃費性能とコスト競争力で圧倒的な強みをもつ反面、ラバーバンドフィールやラフなエンジンフィールなど、運転の気持ちよさではドライバーに割り切りを求めてきたのも事実だ。その点、プレリュードのハイブリッド(e:HEV)が新採用したhonda S+ Shiftは、まるでデュアルクラッチトランスミッションのようなダイレクトな変速フィールをもち、それが滑らかかつ軽やかに回る2Lエンジンの気持ちよさを100%引き出す。それでいて燃費性能もかなり高い。搭載車種はまだ限られるが、今後普及車種に採用されれば、THS一強を崩す可能性も大いにある。それぐらいインパクトの大きい技術である。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| 日産 | リーフ | 4 |
| ホンダ | プレリュード | 2 |
911カレラGTSにに搭載された「T-ハイブリッド」のような手法が編み出されたことには、目からウロコが落ちる思いがしました。コンプレッサーとタービンの間に配されたモーターがエンジンの回転数に関わらずレスポンスよくブーストを発生させるとともに、ジェネレーターとしても機能して排気ガスからエネルギーを回収してバッテリーに電力を蓄えるという独自のアプローチは実に画期的だと思います。こうした目の付けどころとそれをものにした技術は高く評価されてしかるべきだと感じています。
2位は、この時点で考えられる限りの万全のエネルギーマネージメントを実現したリーフとします。一般的な手法に加えて、車載充電器から発生する熱を利用してバッテリーを温めたり、バッテリーの熱をエアコンの暖房に活用するなど、熱を可能な限り有効活用して高効率化を図り、クルマ全体の冷熱システムの一括制御を実現した点を評価します。また、リーフが誕生して以来、過去に1件も発火事故を起こしていない点もあらためて評価したいと思います。
3位はプレリュードの「Honda S+ Shift」です。e:HEVでもマニュアルシフトを楽しめるようにと開発されたが技術は、あたかも内燃エンジン車をドライブしているかのような凝った変速の仕方やサウンドの演出にまで驚くほどこだわっている話を聞いて感心しました。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| スズキ | e ビターラ | 4 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 2 |
新型日産リーフは「効率追究」戦略を全域で極めた日本ならではの超マジメEV。ボディは全長を先代より12cmも縮めつつ、車内はほぼ広さ変わらずという圧倒的スペース効率。空力もドアハンドルやフロアも含めて徹底的にフラッシュサーフェス性を追究し世界トップレベル。インテリアはコンパクトクラスを感じさせないクオリティで、走りはパワースペックこそ普通だが電費、特に実走行での電費の良さは世界トップクラス。サーマルマネージメントを追い求め、パーツレベルの発熱まで無駄にしない。eビターラはスズキ独自のインド生産技術やアライアンスを使い、現時点で他にないクオリティと世界レベルのコスパを達成。新たな日本ブランドEVの勝ち筋を摑もうとしている。ポルシェ911カレラGTSは911の水平対向エンジン専用の「T-ハイブリッド」を初搭載し、これが駆動用モーターだけでなく電動タービンまで使って官能性と省燃費性能を追究。かつてない快楽のハイテクハイブリッドとして誕生。ドリフトコントロールのし易さも素晴らしい。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| スバル | フォレスター | 2 |
ポルシェ911カレラGTSは、モータースポーツで培った電動化技術を盛り込むことによって刺激的な走りを実現しながら最新の排ガス規制にも適合させている。新開発の水平対向6気筒エンジンに、eターボと名付けられた48Vの電動ターボ、そしてモーターを組み込み、スポーツカーらしい鋭い応答レスポンスを手に入れた。アクセルを踏み込むと瞬時にパワーとトルクが立ち上がり、重量増加もわずかだから刺激的な加速を引き出すことができる。モーターからエンジンへの切り替えも絶妙と言えるスムーズさで、技術レベルの高さに感嘆した。
プレリュードが採用する最新テクノロジーは、2モーター式ハイブリッドシステムの「e-HEV」と「ホンダS+シフト」だ。とくに後者は、ラバーバンドフィールと酷評されたCVTの弱点を克服し、理屈抜きに楽しいアクセルワークを実現している。メーターの表示がタコメーターに切り替わり、気持ちいいエンジン音が聞こえるようになる演出も上手だ。
フォレスターは、主役に抜擢された2モーターのシリーズ・パラレル式ストロングハイブリッド(S:HEV)の洗練された走り味と好燃費に加え、進化して脱出性能を高めた「Xモード」を高く評価した。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| 日産 | リーフ | 4 |
| ホンダ | プレリュード | 2 |
ターボチャージャー技術に長けたポルシェが、ターボにも駆動にもモーターを使うと、911の世界観は改めて奥深く広がった。アクセル操作に対してターボはラグが解消して鋭いレスポンスで加速を開始し、それを上回る勢いでターボエンジンが本領発揮で豪快な加速と伸びを展開。モーターを巧みに使い分ける技術力を評価する。
一方、BEVを世界に量販した日産の立役者、3代目リーフは、BEV経験が長い日産だけにパワーユニットのコンパクト化、バッテリーパック高効率化とさらに進化させた点を評価する。日産がリーフを世に放った事で、日産ディーラー網には急速充電器を備え、他社のBEVもその恩恵をどれだけ受けた事か。技術の日産は健在である。
ホンダのe:HEVに加わるS+機能は、基本モーター走行のe:HEVをあたかもエンジンとMTシフト車の走行フィールに変える。プレリュードを懐かしむ世代がどう反応するか、よりもゲーム、シュミレーターで育ったこれからの世代に受けるだろう新たな挑戦を評価する。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| アウディ | Q6 e-tron シリーズ | 4 |
| フォルクスワーゲン | パサート | 2 |
911カレラGTSは過給に電気パワーを用いるという斬新な方法で大いに効果を上げている。Q6 e-tronシリーズをはじめとするアウディの最新EVの回生の効果の大きさやインターフェイスの優秀性などが光っている。また、ダウンロードしたアプリを運転中にも活用できて、移動時間の充実を図ることに取り組んでいる。パサートのプラグインハイブリッドシステムを高く評価したい。電気とエンジンのマネージメントに優れ、電気だけで走れる距離が140kmととても長い。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 4 |
| トヨタ | アルファード PHEV/ヴェルファイア PHEV | 2 |
今年の技術においては電動化における「再解釈」を感じるものが多い印象だった。まずトヨタのアルファード PHEV/ヴェルファイア PHEVでは、PHEVをミニバンに用いて一定以上の電動走行を可能にしたことでショーファードリブンに求められる静粛性や快適性を大幅に進化させたことに大いに納得できた。またポルシェの911カレラGTSではPDK内のモーターとターボ内の電動タービンを用いて、極めて優れたレスポンスとパフォーマンスを導き出した点に、燃費のためではないハイブリッドの使い方を知らされうなずかされた。そして日産リーフは3代に渡って磨いてきたEVの技術を、自らが再定義するためにあらゆる部分の性能を見直し、航続距離や充電性能などEVの不安を完全払拭する技術を確立した点に驚かされた。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| BYD | シーライオン 7 | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 2 |
安全性と劣化抑制に優れたリン酸鉄リチウムイオン二次電池を評価しシーライオン7、車体骨格に弾性設計を積極的に採用したプレリュード、電動モーターを用いたハイブリッドターボの911カレラGTSの3車を選びました。リン酸鉄リチウムイオン二次電池については10ベストカーにも選ばれたeビターラもシーライオン7と同系のものを搭載しているのですが、BYD社製ということで、車両/バッテリーともに自社開発ということからシーライオン7を採り上げました。BEVに限らずHEV/PHEV/FCEVなど電動技術はクルマの基本性能と不可分になりつつあり、実効性を求めるならそれぞれのタイプの電動化に応じてエネルギー密度、難燃性や劣化抑制、充放電レートなどの特性を活かしたバッテリーが選択されると予想しています。リン酸鉄リチウムイオン二次電池は多様化するバッテリーの柱のひとつになりそうです。
プレリュードはフレームの変形を積極的に用いてサスの能力を引き出す、あるいはサスとフレームを一体とした設計を評価。剛性設計からの脱皮とも言えます。また、S+シフトにより疑似エンジン音やシリーズ制御では本来不要なステップ変速を模したエンジン回転数制御など、内燃機車の操り心地の演出もオマケ的ではありますが加点ポイントです。
911カレラGTSの電動ターボは扱いやすさとスポーツカーとしてのパフォーマンスの両面で効果的に作用。元々911系はトップエンドのスポーツカーでありながら実用走行も柔軟、「通勤にも使えるスーパーカー」がそのままレベルアップしたように思えました。内燃機車のファントゥドライブのひとつの頂点でもあるのですが、訴求点の一般性から3位にしました。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| ダイハツ | ムーヴ | 2 |
リーフは電気自動車のパイオニアとして、環境性能を徹底追求した技術思想の純度が群を抜く存在を評価しました。プレリュードは走りの歓びを支える最新技術を、美しいバランスで結晶に感動しました。ムーブはユーザーの生活に寄り添う工夫が細部まで息づき、あえて旧式のパーキングブレーキを作用するなど、技術を適材適所に配置したことに感動しました。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| フォルクスワーゲン | パサート | 4 |
| スバル | フォレスター | 2 |
リアルスポーツカー、ポルシェ911GTSに搭載されたトランスミッション内のハイブリットシステム、レスポンスの優れた電動ターボ。それに400Vのバッテリーで構成され、水平対向6気筒エンジンにも有望な将来性を持つことを証明した。
パサートの乗り心地とハンドリングは絶品だ。ショックアブソーバーに伸び側と圧側を電子制御によりコントロールすることでサスペンションの伸び代がまだまだ未来が平がることが分かった。
フォレスターのストロングハイブリットは直列に置いたトランスミッション内に収めたコンパクトなシステムが特徴。スバルらしいメリハリのある動力性能も魅力がある。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| 日産 | リーフ | 4 |
| ホンダ | プレリュード | 2 |
ポルシェ911ならではの電動化に注目しました。究極のスポーツカーならではのターボをモーターで動かす考え方と技術は評価できると思います。モーターをブースト機能として使うのはモータースポーツからのフィードバックに違いありません。なんかワクワクします。他メーカーも同様な技術を導入していますが、GTSにおける精緻なコントロールが特徴です。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ホンダ | プレリュード | 10 |
| キャデラック | リリック | 4 |
| 日産 | リーフ | 2 |
今年のノミネート車に使われている技術のなかから「感動した」「驚いた」「共感した」を基準に選びました。
プレリュードに使われている「Honda S+ Shift」は、無味無臭になりがちなモーター駆動中心のハイブリッドカーに「運転する歓び」を注入する素晴らしい発想だと思います。ハード的にはこれまでの同社のハイブリッドから変えることなく、制御の違いだけでここまで運転が楽しくなるのだから素晴らしいですね。
リリックに搭載された「バリアブル回生オンデマンドシステム」もまた、使って驚いた新発想。ストロークをコントロール可能なステアリングパドルで、回生ブレーキの効きを自在に調整できるのです。これが実に便利。斬新ですがとても実用的で使い勝手に優れる、高く評価されていい新技術と感じています。
リーフは、車体の下側の徹底したフラット化に感動しました。まるでレーシングカーのような徹底ぶり、というかサスペンションアームにまでカバーをつけるほどのこだわりに衝撃を受けました。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| BYD | シーライオン 7 | 2 |
今年のノミネート車で決定的に新しい技術を採用したモデルはなかった。といった意味からすれば棄権してもよかったのだけれど、リーフに少し面白いアイデアがありました。今や電動化車両から100V/1500Wを取り出せるのは当たり前になっているのだけれど、リーフは車内の100Vコンセントから1500W。200Vの充電口にアタッチメントをセットすることで別個に100V/1500Wを取り出せる。3000Wの電力供給源になるのだった。その他、車載充電器から出る熱でバッテリー温度を高めるなど、新しい熱マネージメントも興味深い。2位はヒョンデ・アイオニック5Nより控えめながらも、疑似エンジン音やシフトショックを出す「Honda S+ Shift」を高く評価したい。自動車を巡る社会環境を考えると絶対的なパワー追求は意味をもたない。適当な動力性能でも楽しめるような”技術”が必要だと思う。3位のシーライオン7は使われている技術が完全に日本や欧州に追いつき、追い越している点を評価した
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| メルセデスAMG | GT 43 クーペ/GT 63 S E パフォーマンス クーペ | 4 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 2 |
量産EVとして3世代目と進化するにあたり、実際の航続距離を追求した暖房や冷蔵、バッテリー、モーターそして急速充電等々の熱マネ総合技術を評価。実際に10ベスト試乗会の試乗車をみてもバッテリー残量70%で502kmの航続距離を持っていた。また、それら技術に加えて、その技術背景や開発現場などをオーナーに知ってもらいたいというスタンスから、E-CarLife動画展開などカメラを招き入れる技術部や工場のオープンキッチン的な姿勢は買ってよかったと思える要素でもあり評価しました。2位3位は電動ターボやシャーシ技術含めて、スゴい!のひと言。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| スバル | フォレスター | 4 |
| BMW | 2シリーズ グラン クーペ | 2 |
911カレラGTS
元はレース車両用に開発され、よりスムースにより速く走るためにためにT-Hybridとして市販車に応用されたテクノロジー。発進時は電気モーターがサポートし、電動ターボチャージャーが遅れなく太いトルクを発揮するためにうまく働いている。水平対向エンジンのエキゾーストノートも楽しめるからスポーツカーとしての資質はポルシェのままだ。スポーツカーメーカーがスポーツカーのために仕上げたテクノロジー。
フォレスター
高い志を持って安全性を追求しているところが、ユーザーのクルマ選びにも大きく寄与している。運転席からの視界を確保する0次安全性から入り、ドライバーが居眠り、あるいは意識を失った場合にはブレーキを使ってドライバーを揺り動かし、最終的にはクルマを止めヘルプネットでオペレーターが呼びかけ、それでもドライバーが反応しない場合には救急車を呼ぶというシステムが組み込まれている。ぶつかっても安全から、ぶつからないクルマになり、新型フォレスターになって乗員の安全確保がさらに一歩進んだ。
2シリーズグランクーペ
ちょっと小ぶりな2シリーズなのに、最新テクノロジーが満載。エンジンは3気筒1.5Lガソリン、4気筒2Lガソリン、4気筒2Lディーゼルの3種類から選べる。自動車専用道での渋滞時はハンズフリー、フットフリーの運転が60km/h以下でできる機能を搭載。時速15km/h以下で前進してきた軌跡を覚えて、同じ軌跡でバックできるハンドル操作もできるなど、上級車と同じ装備を備える。FWDでありながらRWDの感覚でコーナーを立ち上がる制御も組み込み、駆けぬける歓びを味わえるテクノロジーが満載されているところを評価した。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| スバル | フォレスター | 4 |
| 日産 | リーフ | 2 |
1位は、ポルシェ911GTSとしました。このクルマに採用されるT-Hybridシステムは、電動ターボと8速PDK内に内蔵されたモーター/ジェネレーターからなるもので、電動ターボはアクセルオンで瞬時にタービンを駆動してブーストを立ち上げ、過剰な排気エネルギーは駆動モーターが発電機として機能してエネルギーを回生。一方みっしんに組み込まれたモーター/ジェネレーターは、加速時には駆動モーターとして加速をアシストする。しかもこのシステムによる重量増を50kgにとどめるている。このハイブリッドシステムは、スポーツカーの未来を広げる革新的な技術だと考えます。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 4 |
| ホンダ | プレリュード | 2 |
1位と2位で日産リーフとポルシェ911GTSのどちらを1位とすべきかが悩みどころでした。
ポルシェ911GTSが搭載した911初の、ハイブリッドである新開発3.6L水平対向6気筒エンジンに電動ターボチャージャーとPDK(デュアルクラッチトランスミッション)内に配置されたモーターを備えたT-Hybridは燃費向上よりも、パフォーマンス向上のための採用された技術です。
一方、日産リーフは量産BEVのパイオニアとして培ってきたEVパワートレーンの洗練と、キャビン、バッテリー、パワートレーンの冷熱回路を統合し、その全てを活用しながらエネルギー効率を向上させる熱マネージメントシステムをつくりあげてきました。さらには空力性能の徹底追求などとも合わせて、航続距離の向上だけでなくそれが外気温の変化にも影響を受けにくい、また充電効率の向上による充電時間の短縮などさまざまな効果、進化を果たしたと謳っています。
BEVは航続距離、充電効率、空調性能などの高いレベルでの安定化が課題でもあるだけに、新型リーフに採用された技術とそれらがもたらす性能に期待も込めて1位としました。
2位となった911GTSですが、ポルシェらしい凝ったハイブリッドシステムですが、システムとしてはマイルドハイブリッドで、モーターのみでの走行は行えません。その上エンジンは始動した途端に爆音を奏でるという一切遠慮のない徹底したスポーツカー用パワーユニットです。電動ターボによるラグのないスーパーレスポンスとキレのよい変速は官能性能をさらなる高みを導いているのでした。ハイブリッドをスポーツ性能の向上に活かす、ポルシェらしいパワートレーンです。
3位は、ホンダe:HEVの特性を活かした制御とサウンドでドライバーに走る喜びをもたすS+Shiftで退屈なハイブリッドのイメージを覆したプレリュードとしました。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| 日産 | リーフ | 4 |
| テスラ | モデルY | 2 |
1位 ポルシェ911カレラGTSの「T-Hybridテクノロジー」は、モータースポーツの技術が落とし込まれている。軽量コンパクトな設計はパワーウェイトレシオの最適化に寄与し、アクセルレスポンスに優れたハイパフォーマンスや、従来のエンジンモデルとは異なるエンジンサウンドを奏で、魅力的、秀逸なハイブリッドのスポーツカーとなっている。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| 日産 | リーフ | 4 |
| ホンダ | N-ONE e: | 2 |
かつては「走る実験室」といわれたモータースポーツの世界も、近年は市販車との乖離が激しくなって、最先端のモータースポーツ技術を一般人が味わえる機会はほとんどありません。しかし、ポルシェ911のTハイブリッドはそんなレアケースのひとつといえるかもれません。ハイブリッド用モーターはターボチャージャーに内蔵されていて、本来のターボチャージャーが作動しにくい領域でレスポンスに寄与するだけでなく、余分な排気エネルギーを電気に変換して回生する役割も担います。この「熱エネルギー回生システム」こそ、現代のF1やル・マンでよく耳にする最先端技術。……といったことはともかく、そうして完成したスポーツカー専用ハイブリッドは猛烈にパワフルで官能的。まさにクルマ好きのロマンをそのままカタチにしたような技術です。
リーフは最新の熱マネージメントや充電前のプレコンディショニングシステムなど、2025年現在のBEV最先端技術をあますところなく見せてくれる点を評価しました。そして、ホンダN-ONE e:は、プラグを差し込むだけで充電がスタートするプラグアンドチャージ機能を、日本で普及しているCHAdeMOでいち早く実現した技術を評価します。BEVの本格普及にはプラグアンドチャージ機能は欠かせないと考えます。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| フォルクスワーゲン | ID.Buzz | 4 |
| スズキ | e ビターラ | 2 |
リーフは、国産EVの草分けとして3代目をリリースしたということで、今後の日本のEVマーケットを牽引することを期待して一位に選出させていただきました。
ID.Buzzは、あのボディサイズでありつつ、スムーズな加速と静寂性というEVのよさが凝縮されている点が好印象でした。
e.ビターラは、スズキ初のバッテリーEVという新しいチャレンジである点、そして軽自動車への技術転用もできるかも?という期待も込めて選出させていただきました。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 4 |
| アウディ | A6 e-tron シリーズ | 2 |
とにもかくにも効率の高さを求められる時代。BEVの場合はそれが一充電走行可能距離という尺度で測られる。リーフはアフォーダブルBEVとして高価な軽量パーツなどの使用に限度がある。だったらということで空力を追求した手法が見事。フロア下のジャッキアップポイントやサスアームまでカバーで覆ってフラットボトム化したほか、意匠を突き詰めたいデザイナーと空気抵抗を減らしたいエンジニアが建設的バトルを繰り広げ、ボディ各エッジの丸みを決めたことなどを聞き、ものづくりの凄みを感じた。レンジプラスパッケージを設定して一充電走行可能距離846kmを達成したアウディA6 e-tronにも同じ迫力を感じた。ハイブリッドを採用する多くのクルマに漂うそこはかとない軟弱を一切感じさせない911カレラGTSもあっぱれ。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| スバル | フォレスター | 10 |
| 日産 | リーフ | 4 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 2 |
スバル・フォレスターは独自設計のトランスアクスルを組み込んだ2.5ℓストロングハイブリッドを新搭載したほか、運転支援関係の3眼式アイサイト、高精度位置情報を且つ油するアイサイトX、サイクリスト対応機能を加えた歩行者保護エアバッグ、デザインによる0次安全の考え方など、ユーザーのための技術の投入が手厚い。日産リーフのオンボードチャージによりバッテリーヒーティングやナビリンクコンディショニング、ポルシェ911カレラGTSのT-Hybridも注目された。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ホンダ | プレリュード | 10 |
| 日産 | リーフ | 4 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 2 |
内燃エンジンの高効率化などにより、ハイブリッドの環境性能を犠牲にすることなく、ドライバーの意思に忠実に応えるドライバビリティーを実現したホンダS+Shiftを筆頭に、次世代プラットフォームの考え方を先取りしたしなやかな車体構造などを組み合わせたホンダ プレリュードの走りの一体感、そしてそれと両立された快適性は特筆すべきものであり、今年度に登場したクルマに関するテクノロジーの中でも、もっともインパクトの大きいものだった。
日産リーフの、単にバッテリー容量増加による航続距離向上ではなく、経路充電の利便性までしっかり考えたトータルでのBEV性能向上へのアプローチは、利便性を大いに高めるもの。正しいアピールにより、一層のBEV普及に繋げていくことを期待したい。
ハイブリッド技術を思い切り走りの速さ、気持ち良さに振り切って用いたポルシェ911カレラGTSのt-ハイブリッドは2025年に乗ったクルマの中でも一、二を争う痛快な経験をさせてくれた。ポルシェが手掛ければハイブリッドも退屈になんてならない。想像はしていたが、その完成度は期待を超えていた。
以上が3台のテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー選出の理由。電動化の時代もクルマはますます面白いと感じさせてくれる技術がいくつも揃ったことを、とても喜ばしく思う。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| BYD | シーライオン 7 | 2 |
【ポルシェ911カレラGTS】
エンジンとミッションの間に置かれた小さなモーター然り。補機類すべてを電動化してエンジン高を下げたこと然り。シングルの電動ターボを採用したこと然り。ハイブリッド・モデルを作るにあたって、おおよそ考えられるすべてを“911らしい走り”に活すべくして活かした、エンジニアたちの情熱と執念に。そのフィールもサウンドも、まるで自然吸気時代のフラット6。全車ターボ化されてからもっとも気持ちに刺さったパワーユニットだ。
【ホンダ・プレリュード】
鳴り物入りで登場したパワーユニット制御システム、S+ Shift。最初はエンジンのサウンドも変速フィールも、どうせ作り物でしょ……とナメてたのだけど、いや、驚いた。走ってるうちにどんどん楽しい気持ちになっちゃったのだ。たとえそれが疑似であっても、出来が抜群によければそういう気持ちにさせられるし、楽しかったり気持ちよかったりするなら、それが正義なのだよな、と思わされた。
【BYDシーライオン7】
昨年のシールのときにも感じたことだが、BYD製バッテリーEVの受電能力の高さには毎度驚かされる。何せ105kW。電気をガブガブと飲み込んでいく様には逞しさすら感じられる。メーカーはこうした点をもっと広く、わかりやすく知らせる努力をすべきだと思う。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| テスラ | モデルY | 4 |
| キャデラック | リリック | 2 |
1位はポルシェのeTurb 全域ストイキで燃焼する規制を前にして、電動ターボでレスポンスで対応。しかも熱回収も行うので、WECやF1の技術がバックキャストしている。ハイブリットのスポーツカーとしては秀逸だ。
2位はテスラ・モデルY 進化したADASはカメラのみのセンサーだが、モノリシックな画像処理をソフトで行う。シンプルなセンサーにAIで処理。さずが時代の先端をゆく。
3位はキャデラックのリリック。モーターのきめ細かい制御が秀逸だ。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ホンダ | プレリュード | 10 |
| スバル | フォレスター | 4 |
| テスラ | モデルY | 2 |
2025-2026年の『テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー』には、〈ホンダ・プレリュード〉を選ばせていただきました。新世代のハイブリッドシステムと「Honda S+ Shift」によって、ホンダ独自のエンジニアリングのきめ細やかさが際立っており、ドライバーに“どこまでも走りたくなる”というモチベーションを自然に引き出してくれます。「スポーツ」「GT」「コンフォート」とすべての走行モードがいずれも退屈に感じられない仕上がりになっているのは、この技術の貢献が極めて大きいといえます。今後、発表が予定されているEVシリーズ「Honda 0」を踏まえ、新時代到来を目前に控えたホンダにおいて、走りの喜びを追求する姿勢を最も予感させる一台です。
2位には〈スバル・フォレスター〉を選ばせていただきました。誰にでも運転しやすく、運転がおっくうにならない仕掛けがスバル独自のエンジニアリングとして隅々に感じられます。特に優れた視界と水平対向エンジンがもたらす味わい深いフィーリングが自然で、安定感と安心感につながっています。また、歩行者エアバッグはサイクリストまでを想定した領域に進化しており、安全性の高さも魅力です。
3位には〈テスラ・モデルY〉を選ばせていただきました。運転支援システム「オートパイロット」の操作がステアリング上のスイッチでワンクリックで行えるまでに進化しており、その精度の高さを実感できます。一方、〈モデル3〉では廃止されていたウィンカーレバーが復活するなど、ミニマルな設計思想の中でも適材適所にフィードバックが反映されていることが感じ取れます。今後のフルセルフドライビングの社会実装に期待が持てるモデルです。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| スズキ | e ビターラ | 4 |
| 日産 | リーフ | 2 |
クルマの魅力は安全で快適に自分の時間を自由に使って移動できることに価値を感じる。走行性能の向上、維持を損なうこと無く時代の流れに沿って日々進化し続けるテクノロジーこそクルマの性能の骨幹となると考える。環境性能を犠牲にした運動性能の向上や維持は許されることはなく、知恵を絞り、持てる技術の有効活用によってクルマの魅力を担保する。現代のクルマに求められる環境性能と運動性能の両立。環境性能と真摯に向き合いながら、いささかも走りの魅力が失われることがない。そんな魅力あるクルマの性能をサポートする最新テクノロジーを基本とした3モデルを選んだ。911カレラGTSはポルシェ伝統のフラット6のパワーフィールと力強さと環境性能を満たすために911で初めての電動化を推進。モーター駆動のターボユニットとミッションに組み合わされたモーターによって、低速域での高トルク、高レスポンスを生み出し、いささかも走りの魅力を損なうことなく環境性能の向上に取り組んだT-Hybridシステムを評価。eビターラに搭載されるeAxle(eアクスル)はスズキならではのコスト管理の下、インド生産によって高価格化を抑えて、実用航続距離を伸ばしながら身近な電動SUVモデルとしての魅力を生んだ。なかでも4WDモデルは前後同形状のケースを採用(モーターは出力違い)した2モーターによって、高い駆動力と優れたライントレース性を実現。低コストと走りの両立を支えたeアクスルを評価した。リーフはモーター、インバーター、減速機を一体化することで小型高効率化。日本を代表するEVモデルらしく、時代の一歩先を行く3-in-1・EVパワートレーンに次の時代への可能性を感じた。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| スバル | フォレスター | 4 |
| 日産 | リーフ | 2 |
ポルシェ911カレラGTSのT-Hybridと名づけられたハイブリッドシステムは、運動エネルギーを回生するシステムに加え、熱エネルギーを回生するシステムを搭載しているのが特徴。前者(いわゆるMGU-K)は8速DCTに統合され、後者はターボチャージャーと統合され(いわゆるMGU-Hとして機能)、3.6L水平対向エンジンに搭載される。2014年から2017年までWECの最上位カテゴリーに参戦したポルシェ919ハイブリッドに適用した技術をベースにしているということだが、システムの構成は2014年にF1が導入したパワーユニットに近い。F1では制御が複雑になり、開発コストがかさむなどの理由から2026年に技術規則が変更され、MGU-Hをなくしたシンプルな構成に変わる。F1の規則は本来、ロードゴーイングカーに技術移転されることを見込んで誕生したはずだが、(F1には参戦していない)ポルシェ以外に適用事例は現れず、方針転換するに至った。見方を変えれば、内燃機関を発展させる可能性を秘めてはいるものの、実用化のハードルは高かったということだろう。ポルシェは単にシステムを構築して作動させる状態に仕立てただけでなく、MGU-KとMGU-Hを組み合わせたハイブリッド技術をレスポンス向上とパフォーマンス強化に振り切り、洗練された形でまとめ上げた。その手腕と技術力は見事というほかない。
S:HEVと呼ぶスバルのハイブリッドシステムは、EVライクな走りの提供と燃費面でフォレスターの魅力引き上げに貢献している。ほぼ常時作動させる考えのAWD機構を内蔵しているのもポイント。既存ユニットと同等の体格にまとめた力作だ。日産リーフが搭載する電動パワートレーンはこれまで別体だったモーター、インバーター、減速機のハウジングが一体となり、軽量・コンパクト化を実現。振動の低減に対する寄与も大きい。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| アウディ | A6 e-tron シリーズ | 10 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 4 |
| 日産 | リーフ | 2 |
現実に市場投入された次世代のSDVです。A6e-tronはPPEプラットフォームにCARIADのヴィークルOSを搭載。アウディなのにリヤにPUを搭載してリヤ駆動。それでいて、信じがたい旋回性もある新時代を実感させるモデル。
911はF1の技術をフィードバックし市販車スポーツカーに採用することで、ポルシェらしさに磨きをかけている。
EVはみんな滑らかで静かだと思っている人も多いと思いますが、じつは振動は出ており、EV進化の次のフェーズでの課題です。リーフはすでにそのフェーズに取り組みモータ本体、周波数制御による音、振動を抑えた3in1ユニットになっています。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| キャデラック | リリック | 2 |
やはり今年は電動化がキーワードのひとつだったと思います。いよいよあのスポーツカーブランドポルシェもハイブリッド化というと、少なからずショックを受けた方も多かったように思いますが、さすがはスポーツカーメーカー、見事にハイブリッドを使いこなしたばかりか、ポルシェの世界観を表現しているのは見事だと思いました。S+モードで楽しさを打ち出したプレリュードも、デートカーとスポーツカーの両面を際立たせていると思いましたし、王者キャデラックもその名にふさわしい電動化を成し遂げたと思います。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| 日産 | リーフ | 4 |
| ホンダ | プレリュード | 2 |
●ポルシェは911カレラGTSの「T-ハイブリッドシステム」で、スポーツカーの電動化におけるひとつユニークな回答を示した。ただし、その構造は決して単純ではない。テクノロジー集団らしい熟考の跡がうかがえる。こんな調子である。水平対向6気筒エンジンの排気量を3リットルから3.6リットルへ拡大した/ツインターボからシングルターボへ変更した/そのターボは排気に頼らず電動で動作する。回生も行う/8速PDKの中に駆動用モーターを搭載する/エンジンと駆動用モーターは切り離せないため、モーターだけで走ることはできない。このメカニズムがもたらす走りは、次世代の911を感じるのに十分なものであった。
●日本における電気自動車(BEV)のパイオニア的存在、日産リーフが8年ぶりのモデルチェンジで「本気」を見せた。新しいBEV専用プラットフォームと、3-in-1構造のEVパワートレインを得て、一段と高い効率と走行性能を実現したところに共感を覚えた。日本市場においてBEVはまだ販売比率が低く、メインストリームとなるには時間がかかるだろう。しかし、いっぽうで日本車は、海外市場で手ごわいライバルと戦わなくてはならない。「普及するBEV」の形を模索してく必要がある。
●ホンダ・プレリュードに採用された新しいパワーユニット制御技術「ホンダS+シフト」は、自動車の電動化時代における「操る喜び」を提示してみせた。まるでエンジン車を運転しているかのような錯覚に陥る。完全な電動化時代への橋渡しの時代において、クルマの楽しさを演出する、ひとつの意義ある試みと考える。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ホンダ | プレリュード | 10 |
| キャデラック | リリック | 4 |
| メルセデスAMG | E 53 ハイブリッド 4MATIC+(PHEV)(セダン/ステーションワゴン) | 2 |
プレリュードをカーオブザイヤーに選んでるので同じ理由
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ホンダ | プレリュード | 10 |
| 日産 | リーフ | 4 |
| アウディ | A6 e-tron シリーズ | 2 |
加速時だけでなく減速時にも擬似的な変速動作が可能な新開発の「S+Shift」の搭載により、特にコーナリング時の走りの楽しさを大幅に高めた。これまでの技術は「出力を高める」「燃費を向上させる」といった数値で表せる性能を高めるものが大半だった。これに対して今回の新技術は純粋に、運転する人の「楽しさ」を高めるための技術である点が、これまでの技術と異なる点だ。また、今回の技術はソフトウエアにより実現しているので、今後、原理的にはすべてのホンダ車に展開が可能であり、そうした汎用性も今回評価した理由だ。
日産の新型リーフは、先代リーフに対してプラットフォームや電池、パワートレーンなど主要な技術要素をすべて刷新しており、特に新開発の3-in-1電動パワートレーンは、小型・軽量化を可能にしただけでなく、モーターと減速機のハウジングを一体化することで軸の位置精度が増し、静粛性の向上にも貢献している。実際に走らせても、静粛性の向上は、はっきりと体感できる。
アウディの「A6 e-tron」は、フォルクスワーゲングループのプレミアム車種用新開発プラットフォーム「PPE」の採用第一弾であり、車体の剛性の高さや乗り心地と操縦安定性のバランス、静粛性などを従来の「MEB」プラットフォームよりも一段高いレベルに押し上げている。さらに、800Vシステムの採用により、充放電性能が大幅に向上したのも実用性という点で注目できる改良点だ。
| ブランド | モデル |
|---|
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ホンダ | プレリュード | 10 |
| 日産 | リーフ | 4 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 2 |
プレリュードはシリーズHV走行を主とするe:HEVの特徴を最大限に活かし、ホンダS+シフトで8速DCTの加速フィールを見事に疑似再現している。HVにこれまでなかった走りの楽しさと官能をもたらしさ功績は大きい。同時に、ホンダのエンジン技術のレベルの高さをあらためて認識させた。シビックタイプRをおごったシャシーも申し分ない。リーフはカタログ値で最高700㎞超を達成した一充電走行距離。クルマの冷熱システム統合で従来は捨てていたわずかな熱も回収し、航続距離を伸ばす最新の制御技術によって、空調を使った実電費もおおいに期待できる。911カレラGTSは唯一無二のパワーユニットの魅力をまったく犠牲にすることなく、マイルドHV採用によってさらなるパフォーマンスの向上と省燃費の両立を実現した。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| メルセデスAMG | GT 43 クーペ/GT 63 S E パフォーマンス クーペ | 10 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 4 |
| ホンダ | N-ONE e: | 2 |
AMG GTシリーズを選んだ理由は、63S Eパフォーマンスの圧倒的な走行性能に魅了されたからである。富士スピードウェイで走らせると、1.5kmの直線で時速300kmをゆうに超える。レースマシンでもなかなか到達できない速度域に一般的なドライバーでも到達できるのだ。それでいて快適で安心感も高い。F1マシンの電動技術、バッテリーエネルギーの回生やデプロイ制御などをフィードバックし、圧倒的な技術力を誇っている。ブレーキングスタビリティ、ハンドリング、ラップレコードはいずれも過去最高レベルで、しかも一般道では乗用スポーツカーとしてイージードライブが可能だ。
ポルシェ911 GTSは伝統の911をハイブリッド化して、現代のスーパースポーツとしても通用する走行性能を実現していた。燃費を良くするためではなく、911の走行性能を時代に見合ったレベルに磨き上げる意識で電動化した姿勢は、伝統と革新の融合として評価できる。
N-ONEe:は軽自動車のBEV(電気自動車)として、驚異的な航続距離を実現し、BEVの現実性を一気に引き上げる。限られたスペースの中で、バッテリーマネージメント、効率の追求で魔法をかけたような高度なテクノロジーを示している。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| キャデラック | リリック | 4 |
| メルセデスAMG | SL 63 S E パフォーマンス | 2 |
世界で最も有名な、そして憧れの的であるスポーツカー、ポルシェ911に史上初めて”ハイブリッド”モデルが誕生した。911よ、お前もか、と詳細を聞く前には思ったが、技術資料を読んで納得、乗ってさらに大納得、これぞスポーツカーの取るべきハイブリッド化であると感心するに至った。電動ターボを使ったT-ハイブリッドシステムの恩恵は絶大である。キャデラックリリックは大型高性能BEVの日常的な使い勝手を見事な制御技術によって実現した点を大いに評価したい。メルセデスAMG SL63 S Eパフォーマンスはプラグインハイブリッドシステムを得たことで高性能スポーツカーの進化の方向性の一つを明示する。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| 日産 | リーフ | 4 |
| ホンダ | プレリュード | 2 |
911 カレラ GTSに採用されたT-Hybridはモータースポーツ由来の技術であり、モータースポーツ技術の恩恵を市販車で受けられること自体が魅力的なポイントです。またこれまでになかった「100%速さに直結するハイブリッド」という技術のアプローチに強く惹かれました。動力性能はもちろんですが、総合的な走行性能が問われるニュルブルクリンクでのタイム短縮を実現し、実際に運転してもモータートルクの過剰な演出はなく、扱いやすくドライバビリティに優れたパワートレインに仕上がっていると感じたのも絶賛したいポイントです。
リーフはインパクトのある新技術はありませんが、電気自動車の先駆者として実際の使用環境での利便性を技術的なアプローチで実直に高めてきた点が見事だと感じました。特にバッテリーの温度管理に関してはあらゆるシチュエーションを想定していて、自動車としての快適性をしっかりと加味した技術となっています。長い目で評価されるであろう技術的な取り組みが随所で施されていることが素晴らしいと思いました。
プレリュードは「Honda S+ Shift」がこのテクノロジー部門における最大の評価ポイントです。ハイブリッドでも運転の楽しさを表現できる…そんな技術はクルマ好き、運転好きの希望になると思います。DCTのスポーツモデルを思わせるサウンドと振動に由来するエモーショナルな運転体験を実現しながら、従来のハイブリッドのような高いコンフォート性を有する走行も実現していて、ハイブリッドの新時代の幕開けを感じさせる技術となっています。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| プジョー | 3008 | 4 |
| アウディ | Q5 シリーズ | 2 |
1位は、ポルシェ911カレラGTSが採用したT-Hybridを選出しました。タービンとコンプレッサーの間にあるシャフトをモーターに置き換えることで、排気エネルギーと電力により瞬時かつ高精度で過給圧を制御。さらに、排気エネルギーでモーターにより回生し電力を取り戻すことも可能な技術です。このシステムには、ポルシェ919ハイブリッドによるモータースポーツ活動で得たノウハウが導入されていることにも興味を持ちました。
2位は、プジョー3008ハイブリッドが採用しステランティスの各ブランドからも積極投入されている48Vハイブリッドを選出しました。このシステムはいわゆるマイルドハイブリッドですが、日本のメーカーは実現していないモーターによる走行が可能。バッテリーの充電量に余裕があれば緩加速なら20km/hくらいまで、一定速なら40km/hくらいまでモーター走行ができることを公道試乗の確認しています。
3位は、アウディQ5などが採用するMHEV plusを選出しました。MHVに「E」が加わることでも明らかなように、システムとしてはマイルドハイブリッドですがモーターによる走行が可能です。緩加速なら20km/hくらいまで、一定速なら60km/hくらいまでモーター走行ができることを公道試乗で確認済み。条件が整えば、140km/hまでモーター走行ができるとのこと。モーター走行が可能なマイルドハイブリッド技術に、大いに関心を抱きました。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| トヨタ | アルファード PHEV/ヴェルファイア PHEV | 2 |
911カレラGTSに搭載されたT-Hybridシステムを高く評価したい。このシステムを組み込むためにエンジンは小型化し低く作り直し、その上に高電圧コンポーネントを載せることでこれまでと同様のエンジンルームに搭載。タービンの中心には小型モーターを入れることでレスポンスを後押しすることができるほか、一方でエネルギー回生も可能なところも面白い。走ればたしかにその効果は感じられ、いつでもどの領域からでもスロットルに対して忠実にパワーユニットが反応をはじめ、リニアな応答を実現。車両コントロールもしやすく仕立てられていたところが印象的だった。
プレリュードは本賞でも書いているが、モーター駆動にも関わらず有段シフトのフィーリングが味わえるHonda S+Shiftを奢ったところが興味深いポイント。速さや効率を考えればネガではあるのだが、そこに目を瞑ってでも搭載したところが粋な計らいのように感じる。
アルファードとヴェルファイアのPHEVはスムーズストップによるフラットなブレーキング、そしてAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンションシステム)によって上質な乗り心地を実現しているところが好感触だった。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| スバル | フォレスター | 2 |
リーフの乗り味、乗り心地は素晴らしかった。車重を上手に活かし、柔らかいのにロールしないセッティング、BEVのトルク配分やパワー感も絶妙であった。価格帯こそ違えど、ロールス・ロイスのスペクターに匹敵する味付けに脱帽。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| 日産 | リーフ | 2 |
私の一押しは、ポルシェ911カレラGTS。運転好きにとってたまらないその技術でしょう。GTS Tハイブリッドに3.6リッター水平対向6気筒エンジンと2つの電気モーターを組み合わせたシステムを採用することによって、ターボラグをほぼ排除していることです。そのおかげで、アクセルレスポンスがよりシャープになることでドライビングフィーリングは抜群です。
また、ホンダ・プレリュードのS+ Shift は、ハイブリッド車を面白くしてくれます。S+ Shift はギアシフト、パドルシフター、回転数マッチング、エンジン音のシミュレーションをハイブリッド車に組み込んで、スポーティさと効率性を兼ね備えた特別な機能で、ドライビングをより楽しくしてくれます。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| ホンダ | N-ONE e: | 4 |
| ホンダ | プレリュード | 2 |
魅力がたくさん詰まったこの新型LEAF。テクノロジーの分野では、EV専用のCMF-EVプラットフォームを採用。これは上級車種アリア譲り。この上質なプラットフォームのおかげで、配置が整理されホイールベースが長くなりつつも、オーバーハングを抑えたことで全長がコンパクトに抑えられている。室内空間の広さと取り回しも実用的。実用的といえば、EVの課題である夏場冬場の航続距離が減る問題に対し、先代の空冷式から大容量液冷式バッテリーに変更し、従来からのヒートポンプ式暖房などで、電費を改善。航続距離は702kmを謳うまでになった。しかしそれ以上に感銘を受けたのが、走行フィーリング。静かでスムーズなのは当たり前として、運転していて楽しいハンドリングなのだ。これもテクノロジーの成果として記述したい。この技術のおかげで価格と性能のバランスは優秀であると感じた。
改良されたバッテリー温度管理システム
冬場性能を高めるヒートポンプ暖房の改良
などが組み合わされていると報じられています。
The Verge
これにより、極端な暑さ・寒さでも航続距離の落ち込みが少なく、**「季節による使い勝手の安定性」**が評価されています。
WIRED
EVタイムス
新開発の3in1電動パワートレイン(モーター+インバータ+減速機一体)で、コンパクトかつ高出力・静粛を実現し、0-100km/h約7.6秒クラスの加速性能。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| 日産 | リーフ | 2 |
今回は電動化時代に独自のテクノロジーを駆使して各々のブランドを体現してみせたモデルを選んだ。
1位はポルシェ 『911 カレラ GTS』。911の長い歴史において、初のハイブリッド仕様を登場させた。911といえば、言わずと知れたポルシェの走りの技術を磨く”核”となるモデルだが、オンロードのスポーツ性を際立たせてきたGTS仕様から電動化技術を搭載。これまでも伝統と革新を繰り返してきたポルシェらしく、時代の課題を受け止めながら、技術をもって理想とする走りを貫く姿勢に感銘を受けた。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| アウディ | A6 e-tron シリーズ | 4 |
| アルファ ロメオ | ジュニア | 2 |
ポルシェ911GTSのTハイブリッドは、今は特殊でも今後の一般車両に於いても広がって行く可能性を秘めていると思いました。2位のアウディは空力を含めた全体の洗練性、3位のアルファロメオは、複数ノミネートされている同じプラットフォームを代表して評価したものです。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ホンダ | プレリュード | 10 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 4 |
| スバル | フォレスター | 2 |
テクノロジーは何をもって評価すべきであるのでしょうか。ただ新しい最新の技術を使えば良いのでしょうか。いい技術だが高価で採用できないということもあります。一方、新たな装置と既存の技術を使い開発費を抑え、長年蓄積したノウハウを工夫することによってカスタマーに還元できるモデルを提供することも可能です。また現状の技術をプログラムやAIを使用して新しい商品価値を作り出す。といったことも今年のモデルでは見てとれました。様々なカテゴリーのなかで、どれだけ多くい人に還元できる技術なのか?三者三様ので選出をいたしました。色々と考え方がありますのでどれが一番とは難しいですが、これからの新しい多様性を考えてホンダプレリュードの「Honda S+ Shift」はエンジンとモーターを任意に融合させた楽しい技術だと思います。新たな技術ではないが既存の技術を新たな見方を変えて自己実現を可能にしたHYBRIDユニットとトランスミッションのコンビネーションは評価に当た値するのではないでしょうか。高価であるが新たな技術を実現できるブランドがポルシェ911カレラGTS「T-Hybrid」システムではないでしょうか。ドライバビリティーに特化した内燃機関における理想な理論空燃比をほぼ全域で成し遂げたperformance hybridモデルです。どこから踏んでもリニアなトルク特性が特徴で伝説ハイブリッドレーシングモデルPorsche 919 Hybridに搭載されたノウハウを市販車に反映したことがポルシェらしい高価な技術が搭載れています。911のプレミアムプライスだからこそ量産にできたといっていいでしょう。もう一つのハイブリッドを私は選びました。それがスバルフォレスターS:HEVの4WD制御です。今までできなかった細かな制御をトヨタのハイブリッド技術をバランスを考えて搭載し商品価値を高めました。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| トヨタ | アルファード PHEV/ヴェルファイア PHEV | 4 |
| ホンダ | プレリュード | 2 |
走行性能を磨くテクノロジーはもちろん、安心・安全、心地よさのためのテクノロジーも大切だと感じています。その点、911カレラGTSは走りの素晴らしさだけでなく、雨の日でも安心してスポーティに走れること、思うままの操作でクルマと一体になれる心地よさに魅力を感じました。それはプレリュードも同様です。
アルファード/ヴェルファイアPHEVは、ミニバンとしてもショーファーカーとしても、静粛性、安定性、乗り心地の良さが段違いに向上していることに驚かされた1台です。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 4 |
| アウディ | A6 e-tron シリーズ | 2 |
eーPOWERへの拡張性をも考え「3-in-1」構造としたリーフのパワートレーン。そのコンパクトさと高効率化を行う一方でバッテリー容量を増やし、かつサーマル管理を緻密に行うことで航続距離と充電性能を高めた無駄のなさを評価し、1位にリーフを選びます。
2位には「T-ハイブリッド」システムを採用したポルシェ911GTSを選びます。低排圧時でも電力でタービンを回し、タービン活性時にはエネルギーを回収するシステムや、純粋なパフォーマンス向上に主眼を置いた駆動系モーターの投入には、「電動化=エコ」として片付けられがちなハイブリッド技術の新たな方向性を感じます。
A6 e-tronの「ARヘッドアップディスプレイ」はまさに最先端のインフォテインメント技術です。特に立体的なグラフィックでふわりと現れてルートを示し消えて行く矢印表記や速度表示の動き、これと連動するアダプティブクルーズコントロールのシームレスな制御には、未来の乗り物感があます。こうしたシステムがコストマネージメントによって一般化すれば、クルマはより楽しい乗り物になると思います。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 10 |
| ホンダ | プレリュード | 4 |
| 日産 | リーフ | 2 |
ポルシェのT-Hybridは「モーターの活用」、「環境性能・燃費性能向上」と言う概念は他社のハイブリッドシステムと同じですが、目的が「今まで以上に気持ちいいエンジン車の提案」と言う所を高く評価しました。そのためにエンジンを新規開発、電動パワートレインの軽量化も徹底するなど、ポルシェらしいこだわりが随所に。個人的には「ポルシェはエンジン車を今後も残します!」と言う強い意思と決意が感じられました。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| スバル | フォレスター | 10 |
| ポルシェ | 911 カレラ GTS | 4 |
| ホンダ | プレリュード | 2 |
スバル「フォレスター」に搭載されている世界初搭載の「サイクリスト対応補講者保護エアバッグ」。自転車に乗る人との衝突時に頭部の保護を強化したもので、スバルが提唱する「総合安全」の考えを進化させ、自動車、歩行者、さらにサイクリストの安全も保護し、まさに交通事故ゼロに向かって進む、’ブレないスバルの本気’を感じます。
ポルシェ「911カレラGTS」に搭載された「T-ハイブリッド」は、ポルシェらしいスピードやドライビングフィールを損なわず、ターボラグが低減されたり、トルクの立ち上がりが爆速に。さらに気持ちのいいエンジンサウンドに包まれてのドライビングで、いつまでも走っていたくなります。
そしてホンダ「プレリュード」に搭載された「Honda S+Shift」。低燃費と走りの楽しさを両立させたうえ、2つのモーターとアクティブサウンドコントロールシステムを連動させ、音と操作感で運転の楽しさ倍増!
ということで選考いたしました。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| キャデラック | リリック | 10 |
| ホンダ | N-ONE e: | 4 |
| ホンダ | プレリュード | 2 |
リリックのバリアブル回生オンデマンドシステムは、回生ブレーキの強弱をパドル操作により無段階で完全停止までコントロールできる画期的な機構である。N-ONE e:は軽自動車で300km弱の航続距離を達成しつつ、大容量のバッテリーを搭載しながらパッケージにも優れる。プレリュードのS+シフトは、ハイブリッド機構でもパワートレインを操る楽しさを享受できることを証明した。
| ブランド | モデル | |
|---|---|---|
| 日産 | リーフ | 10 |
| スズキ | e ビターラ | 4 |
| ホンダ | N-ONE e: | 2 |
クルマのテクノロジーは幅広いが、最近は走行安定性や危険回避性能を高める技術進化が一段落している印象がある。寂しく思う一方で、2025年に登場した新型車では電動技術が注目された。特に1位のリーフは、モーター+インバーター+減速機を一体化した新開発パワートレーン、カーナビ情報と連動させてバッテリー温度を管理する機能、水冷式の温度調節システムを備えたリチウムイオン電池など、新しい技術を豊富に採用した。78kWhのリチウムイオン電池を搭載して、WLTCモードにより最大702kmの走行も可能にしている。
2位はeビターラ。発表前は最も安価なグレードの価格を430万円と予想したが、実際はさらに安かった。総電力量が49kWhでWLTCモードにより433kmを走れるX・2WDが、安全装備を充実させて399万3000円だ。今は予想を上まわる高価格で発売されるのが当たり前だが、eビターラは逆だ。国の補助金を差し引くと312万3000円になる。
3位はN-ONE e:。日本で電気自動車を普及させるなら、セカンドカーとして買い物などに使われる軽自動車が最適だ。セカンドカーなら「1回の充電で走れる距離が短い」という批判も生じにくい。N-ONE e:は動力性能にも余裕があり、特にベーシックなe:Gは、カーナビを装着しないスッキリしたインパネも好印象だ。短距離移動に使うセカンドカーなら、カーナビは不要だから、電気自動車の使用実態にも合っている。