リリース情報
「2011-2012 日本カー・オブ・ザ・イヤーに思うこと」
評議委員 金井 浩 山崎憲治 清水猛彦 米村太刀夫 山口京一 黒沢元治 三好正巳(順不同)
2011~2012年の日本カー・オプ・ザ・イヤーは、日産自動車の「リーフ」が選考委員の圧倒的な支持を受け、大差で本賞を獲得した。
32年の歴史を持つ日本カー・オプ・ザ・イヤーにおいて、内燃機関を一切搭載していない自動車が受賞したのは、これが初めてのことであり、評議委員にとっては、ある種の感慨とともに事実を受け止めざるを得ない歴史的な年となった。
自動車を特定の範疇にとどめず、新技術を社会の新傾向にミートさせ、自動車をその時代に適合させたい。こうしたメーカーの提案と意欲への高い評価が、リーフが多くの支持を得た理由のひとつであろう。
一方、これはリーフのみならず、EV全般に言えることではあるが、こと実用面においてはEVはまだ十分なものではなく、内燃機関で走る自動車とは、単純比較ができないくらいの差と違いがあることは、これまた現時点では事実である。
とはいえ、自動車個体の性能としては、シャシー性能ひとつを取っても、極めてすぐれたコスト・パフォーマンスを発揮するモデルとなっているのがリーフであり、単なるクルマの性能比較だけではなく、社会性やインフラも含めた未来に向けての可能性に、多くの最高得点10点が投じられたものと考える。
次にインポート・カーだが、本年も、クルマとしての魅力を存分に発揮するようなモデルが数多く登場した。そして輸入車が、かつて“外車”と呼ばれていたような時代とは異なって、日本のマーケットに完全に馴染んでいることが、今回の獲得ポイントからも見て取れた。リーフに続く第2位、第3位、そして第5位は輸入車であったことに、あらためて注目したい。
そして、デザインの個性と、クルマ全体から醸し出される芸術性は、残念ながら、昨今の国産車を大きく凌駕している。ステアリングを握るとハッピーになる、心が豊かになる、ドアを開けただけで満たされるといったモデルが、インポートカーには少なくなかった。価格もリーズナブルになっており、インポートカーの存在感はますます大きくなってきた。今後の国産車の奮起にも大いに期待するところである。
もうひとつ、インポートカーが、日本車とは異なるベクトルで変化していることが見て取れたのも本年の特徴であった。リーフを代表とする国産車が、ハイブリッド方式、燃料電池の探求、そして電動による自動車の進化を目論んでいるのに対し、インポートカーの多くが、自動車そのものを進化させることの中に、対環境やエコ性能を織り込んでいたとも解釈できるであろう。
クルマの価値や楽しさを、クルマというカテゴリー内で磨き上げる。インポートカーの個性とその魅力は、案外、このシンプルさにあるのかもしれない。
※評議委員=日本カー・オブ・ザ・イヤーにおける豊かな経験と見識を持つ自動車評論家および歴代実行委員長7名が就任。実行委員会の求めに応じて意見を述べ、適宜アドバイスを行う。